【開催報告】 2016ちば経済生産性シンポジウム
本年で4回目の開催となる「2016ちば経済生産性シンポジウム」(後援:連合千葉、千葉県経営者協会)が10月20日に開催され、80名を超える参加者にお越しいただきました。
千葉県は、その地域特性によって女性の継続就業率が全国的に低く、非正規社員の比率が高い状況を抱えています。しかし、今後、懸念される労働力不足の中で地域と企業などが一体となって、働き方の改革を進めていけば逆に全国トップクラスの労働力確保の効果が期待できると指摘されています。
シンポジウム当日は「千葉人材」が千葉の職場に定着し、活躍できる環境整備を今後、いかに具体的に進めていくべきか、県内企業、金融、医療、労働組合、行政におけるリーダーが集い、議論をかわしました。
テーマ: 千葉創生に向けた 人材の活用と定着
~千葉で育った 人材が、千葉で活躍する~
<パネリスト>
浅見 忠世 氏 JFEスチール(株) 東日本製鉄所 副所長(理事)
床並 道昭 氏 千葉県商工労働部長
亀田 省吾 氏 学校法人鉄蕉館 理事長 /亀田クリニック 院長 鈴木 光 連合千葉 会長/千葉県生産性本部 副会長
青柳 俊一 千葉興業銀行 頭取/千葉県生産性本部 会長
<総合コーディネーター>
水野 創 氏 ちばぎん総合研究所 取締役社長
(シンポジウム紹介記事:「生産性新聞」2016/11/05号より)
千葉県生産性本部は10月20日、「千葉創生に向けた人材の活用と定着~千葉で育った人材が千葉で活躍する」をテーマに、「2016ちば経済生産性シンポジウム」を千葉市内のホテルで開催した。
冒頭、主催者を代表して、青柳俊一・千葉県生産性本部会長(千葉興業銀行頭取)が、「千葉県の経済・産業の持続的な成長のためには、労働力確保だけにとどまらず、学校や企業・組織で育てた人材が持てる能力と意欲を高め、生産性を向上させていく環境を整えることが重要だ」とあいさつした。
次いで、浅見忠世・JFEスチール東日本製鉄所副所長、床並道昭・千葉県商工労働部長、亀田省吾・学校法人鉄蕉館理事長(亀田クリニック院長)、鈴木光・連合千葉会長(千葉県生産性本部副会長)、青柳俊一氏の5人のパネリストが、総合コーディネーターの水野創・ちばぎん総合研究所取締役社長の司会進行で、パネル討議を行った。
床並氏は、農業産出額が全国4位、製造品出荷額が6位、人口が9位と、千葉県はバランスのとれた産業県だが、人口減少地域における雇用の場の確保や観光振興等による交流人口の拡大が課題だと述べた。
浅見氏は、持続的な成長のためには継続的な採用や人材育成、着実な技能伝承の取り組みが必要だとした上で、高い技能を持つシニア社員を技能伝承の先生役である「テクニカルエキスパート」として処遇していることなどにふれた。
亀田氏は、鴨川市を中心に医療・介護サービス等を展開している亀田グループの取り組みを紹介し、10年後にアジアのハブ病院となることを目指していることや亀田医療大学などで質の高い医療者の養成を行っていることなどを説明した。
鈴木氏は、中小企業と大企業で働く人の格差是正や最低賃金の引き上げなどの課題とそれらに対する連合千葉の取り組み状況などを紹介した。